2017年7月15日土曜日

Panasonic 4K フォトカメラレンズセミナー @サトーカメラ宇都宮本店

布川賀那江

サトーカメラ スーパーカメラセンター宇都宮本店の「Panasonic 4K フォトカメラレンズセミナー」に参加しました。講師は森脇章彦先生。モデルは布川ぬのかわ賀那江かなえさん。

関東をみると、東京都と神奈川県にヨドバシカメラ、ビックカメラが多数ありますが、それ以外の県では一店舗あるかないかという状況です。さらに老舗の有力カメラ店というのも東京都と横浜市周辺に集中しているように思います。

そんななか、関東といえば栃木県のサトーカメラと言われるほどの有力販売店で約1年ぶりにLUMIXセミナーが行われました。

関東のサトーカメラとは、栃木のユーザーは如何に、ということで参加しました。

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サトーカメラ本店

サトーカメラ本店は宇都宮駅から歩くには遠い(徒歩約30分)ところにあり車で行くのが便利そうでした。しかし経費節約と、座って好きなことをしていれば着くので楽ということで電車、しかも在来線で行くことにしました。

宇都宮駅からバスでの行き方も書かれているので駅からバスで行くことにしましたが、ダイヤを見るとちょうどこの朝の時間帯はそんなに多くない。電車との接続を考えると30分に一本程度か。

そばにあるショッピングモール「ベルモール」行きのバスはそこそこ出ているので、ベルモールへ行って歩いて10分弱戻る手もあります。バスというのは現地へ行ってみないと様子がわからないことが多いです。駅東西の口それぞれからベルモール方面へバスがでますし、バス会社が三社あって出発するバス停がちがうなど、結構苦労してバスの情報を調べてダイヤを表にしたりしました。

午前10時30分に第1部が始まります。電車に長く乗るのですが混み具合がわかりません。万が一座れないとなると辛いので、電車の乗り継ぎなしのグリーン車付き(乗り継いだところでグリーン席に座れないかもしれないので)の列車で行きたいとなると午前9時15分宇都宮駅着となりました。湘南新宿ラインの始発の次の電車です。幸いかろうじて座れたのでグリーン車にせずに済みました。

宇都宮駅からバスに乗って10分強(?)で目的の陽東四丁目バス停。別名 平出町バス停(乗った関東バスの側面の経路表示板には平出町と表示されていた)。

サトーカメラはすぐにわかりました。

朝9時開店、夜8時閉店という朝型のお店とはいえまだ開店して30分強。敷地の駐車場スペースへ入った途端に同行の「はいあまの添乗員」さんが「おかしい」と。

「車が多すぎる。いくらなんでも多い」とはいあまの添乗員さん。いやいや、朝型の人というのは一定数いて、日の出頃には起きてて、早く開店しないかと行列するほど待ちわびてるんですから、と夜行性の私。「そうでないとすると…地方の生活はハレとケ。今日のセミナーに朝から来ているんじゃないんですか?」と多少「想定外」なことまで想定してみたのですが…

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入り口に近づいたところ、なんとこの「アジ看板」。

私の予想(?)が当たったのか?

チラシのキャッチ「これからのカメラ選びの新基準」というセリフは結構深い言葉だ、と前夜に感心していたのですが、このアジ看板も結構よく出来ています。

よく掴んでいる上に、宇都宮の風土にマッチさせてあるように思うのです。これは店内に入ってもよくわかり、(理屈っぽく言えば)地元のお客のニーズを良く掴んでいるなあと思いました。それでいて、びっくりするほどちゃんとものが揃っている。東京都内の某チェーン店の中小店舗の方がものがそろって無いくらい。

スマホや記録メディアから写真をプリントするコーナーがくつろげるようになっているうえに、「お子様連れ優先コーナー」というのがあってそこではすぐ後ろに子どもが遊ぶキッズコーナーが用意してあって「落ち着いて写真選び・印刷が出来ます」となっている、とかとか。

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午前の部

会場は2階。上がるとギャラリー、スタジオ、それに「ホール」。開場時間になって入ってみると、広い。

席にはLUMIX関連のカタログがずらっと用意されていました。カメラのカタログだけでなくテレビのカタログなども入っているのもLUMIXセミナーでは初めてではないか、と。なかなかきめ細かい。

座席は募集定員の25席あるのですが、なぜかテーブルと椅子をどんどんと追加し始めている。なんでも50人ほどの申し込み。

朝から車(来店者)が多いのはやはりそのせいか?

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今回はユーザーに貸し出すために大量のカメラとレンズがパナソニックから用意されていました。(しかしさすがに予定の2倍の参加者全員分はありませんでした)

ところでこのホールですが、使われている蛍光灯が昼光色と電灯色が混ざっていました。その為ここで撮るとWBが一定しません(フリッカーの周期で変わる)。参加者は何かしら撮ってみてデータを持って帰ろうと思うはず。カメラ専門店がやる製品紹介セミナーの会場なのですからせめて蛍光灯の色は統一して欲しい気がします。社員研修で使うにしても、撮影したりするのでは?

トーク

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午前の部は DC-GF9DC-GH5 の紹介。最近の販売店でのセミナーは GF9 か GH5 どちらかを45分という内容ですが今回のサトーカメラでは1時間半使ってどちらも紹介しつつさらにミラーレスの特徴や、低振動シャッターの重要性、SDカード選びのポイントなどを解説。

参加者は若い女性が少し目立つ。これはメーカーの写真教室と似た傾向で、マニア層が来ているということ。

さらに高齢男性も目立ち、かつ非常に積極的に話をきいていました。高齢男性はベテラン・マニアなので通常一眼レフ、従ってキヤノンかニコンの長いユーザーが大概ですので通りかかったので聞いているということはあれども、申込制のセミナーに来る人はあまり多くありません。さらにフィルムの時の撮り方のままの人が多く、デジタル一眼レフどころか、それも過ぎたミラーレスカメラでのパラダイムシフトの説明についていけない人が多いのですが、今回非常に熱心に聞いている人が多く目につきました。

試写

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予定より進行が遅れ気味のなかいよいよ試写タイム。貸出用のLUMIXを借りたり、持参してきたLUMIXをもって階段の踊場へ。この日は晴天。踊り場は自然光がよく入るようになっていたのでかなりよい条件でした。通常販売店のセミナーでは店内で試写するので明るさの点でも、演色性の点でも十分とは言いがたいのですが、今回のセミナー参加者は持ち帰ったデータで十分にLUMIXの特徴を評価できるのではないでしょうか。

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「S優先モード、顔・瞳認識AF丸投げで構図に専念」と言う新しい撮り方で、如何にみごとに瞳にぴったりピントが合ったシャープな写真が撮れるかを実体験。

受講者のはずの はいあまの添乗員さんがなぜかレフ板を持って、モデルさんの前の参加者の交通整理をしていました…

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時間が押せ押せなのに、2階スタジオが空いているのをみつけてそこでもさらに撮影。

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先日来 森脇先生愛用の露出計・カラーメーター・照度計の LUMU POWER についてどんなものなのか(iPhoneに付けて使うものなのか)、どこで売っているか訊ねてくる人が何人かいました。

午後の部

午前の部が募集人数の2倍の50人ほど来ましたが、午後は少し減りましたが40人ほどは居たと思います。

布川賀那江

午後の部もLUMIXの紹介をしつつも、トークは少し短めに。後半の試写(ポートレート撮影)に少し多めに時間を割く進行でした。

試写

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午前と違う背景でと言うことと、2階スタジオが使われていたので1階から階段途中を見上げる形のシーンで撮影。

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先生が一人ひとりの写真をみて基本的な構図のチェックや(「頭の上空きすぎ」)、「顔・瞳認識AF」の動作がわかっているか(顔を認識した「枠」がでてから撮れているかどうかわかっていないとピンぼけが多くなる)、被写体ブレを防ぐための「一気押し」(瞳にしっかりピントが合うはず)などをチェックしてくれました。

布川賀那江 布川賀那江 布川賀那江

午後も募集人数を大きく上回る人数な上に狭い階段、しかも熱心な参加者ということで何時までたっても終わらない気配。

モデルが撮れるというと、カメラの講習ではなくモデル撮影会みたいになることも多いのですが今回の白熱ぶりは「顔・瞳認識AF」の手応えを参加者が感じていたからのように感じました。「好きな構図にして、カメラが自動認識して顔に枠線、瞳に十字のヘアラインが乗っていることを確認してシャッターを切る」と言う一眼レフに無かった撮り方に熱中しているように思いました。

おさらいトーク

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終わるためにホールに戻ってきてもなかなか終わらず、熱気が続いていました。

シャッターの切り方について先生が解説:

シャッターボタンは手前に引くようになぜる。真下に押さない
下に押すとカメラが上下にぶれる微妙な手ぶれの原因になる。
手でボディーを掴んでいるのでシャッターボタンの人差し指が親指と相対して握る動作に近くなりぶれが起こりにくい
シャッターボタンは一気に全押し。半押しで止めない
合焦マーク、合焦音を待たない。
今のAFは全押し中に合焦できるので半押しで合焦を待つ必要はなくなった。半押しで止めるとAFロックになるので、半押しから全押しまでの短い待ち時間に被写体が動いてしまいピントずれになってしまう。
動きものでないポートレート撮影でも人間の顔の筋肉が完全に静止出来ない。これで髪も微妙に動く。髪の解像度が甘い写真が撮れた時、AFがミスったと思う人が多いがほとんどの場合この微妙なピントずれ。まして素人の顔を撮るときは顔の表情筋は止まってない

ポートレートを「S優先モード」(シャッター速度優先モード)で撮れと言う理由はモデルの筋肉の微妙な動きを高速シャッターに設定して止めるためです。

「A優先モード」(絞り優先モード)で撮ると言われたのは、フィルム時代の撮り方。今のデジタルカメラの高画素数ではフィルム時代には見えなかった微妙な被写体ぶれが写る。この高画素数の性能をきちんと使い切りたいのならばシャッター速度を高速な値に管理して撮る「S優先モード」で。このモードで構えて、絞りのF値が望む値かどうかを確認して撮る。

F値はどうでもいい、と言っているのではない。被写体ぶれも防ぐ必要が出てきたので高速シャッターを維持する必要があるから「S優先モード」。なのでF値がいくつになっているかは撮影直前に必ずファインダーで確認すること。

十分明るければISO感度は自動的に基底値(100とか200とか)になり、なおかつシャッター速度を1/1000 sとか1/2000 sとか高速にしないと絞りが絞られてしまうはず。こういう明るい状況ならば確実に高速シャッターになるので「A優先モード」にしてF値を決めて撮る形に移行する。シャッター速度はカメラが自動的に決めるが十分高速のはず。

F値はISO感度で調整。基本ISO感度オートでよい。フィルム時代はISO感度は変えられなかった(フィルム一本の間固定)が、デジタルでは変えられるので積極的に変える。今のカメラだとちゃんとピントがあっていて、ぶれがなければ、結構高感度まで画像処理エンジンがディーテールを残したままノイズを処理してくれる。なのでシャッター速度を高速に固定して、ISO感度でF値を調整。

だから、ISO感度を上げてもノイズを目立たせないためにも

  • S優先モードで微ぶれ排除
  • 顔・瞳認識AFで精密AF
  • 一気押しでピントずれ排除

の三点セットが大事と強調。

ポートレートでのS優先モードの時のシャッター速度はいくつ以上がよいのかですが、ちょっと忘れてしまいました。(1/250 s 以上だったか?)私は通常1/500 s 以上に設定しています。暗くてISO感度が高くなりすぎるときは1/400 s 〜 1/320 s です。

シャッター速度については「シャッターショック」の話からメカシャッターの場合1/250 s 〜 1/320 s(機種によって違うが、基本フラッシュの最高同調速度と同じ値のはず)より高速にしたほうがシャッターショックが写らないという件があるので、優秀なモデルさんだとどこまで「顔が止まるか」という話とは別に、1/320 s 以上の高速という条件が出てきます。

電子シャッターにすることでシャッターショックの問題を解消できますが、通常はそのまえにフラッシュを使うというような手段になるのではないか、と思います。

それ以外の条件やシーンだとすると、そういうものを撮る人はそもそも答えを知っているはずだと思いますし。

ほかに iFootage の発売直前のビデオ用自立一脚の新製品がみられました。

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セミナー解散後には、森脇先生はサトーカメラが制作しているとちぎテレビの番組のインタビューを受けていました。

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